でも前提で阿部→ヒロインなので、阿部が阿部阿部しい。笑
何でなのかは知らないけれど、とても重たく感じる時がある。
説明しろって言われても、沢山ありすぎて、全部が些細な事過ぎて、愚痴をいう気になれない。
そういうのが堪ってるから、今苦しいんだろうけど。
きっかけは全部些細なことばかりだ。
周囲から見たら、そんな事気にすることないって笑われてしまうようなもので、それを自覚してるからこそ、言えない。
“そんなこと、気にすることないって”
その一言はとてもあたしの心を軽くするけれど、変われない自分に気がついてしまう、から。
「・・・・・お前、何かあったのかよ」
「べ、別に、何も無い、よ?」
もともとあたしにはどもる癖があったけれど、それに阿部は苛々するみたいで、時々思い出したように眉を顰める。
嫌なら、無理に話しかけなくてもいいのに。
俯いて、机の消えない落書きを爪でこする。
意味のない動作を繰り返す、そうしてすこしだけ落ち着いた気分も、阿部が繰り返して吐いた溜息で、また震えるけれど。
「あのなぁ・・・・・何か言いたい事があるんならはっきり言えよ!見ててうぜぇ」
「ご、ごめん・・・・・」
「謝るくらいならさっさと言え!」
「ごめ、あ、・・・・・えっ・・・・すみません」
言葉を変えただけの謝罪に、阿部はまたうざったそうに音をたてる。
その音に驚くあたしを見て、嫌そうな顔をする。
こういうとき、三橋君がいたら、いいのに。
試験の時にお互いどもりながら仲良くなった三橋とは、今ではすっかり打ち解けて、ようやくどもらずに話せる数少ない男の子。
阿部のバッテリーで、いつも怯えてるんだろうなぁと思うけれど、それでも時々七組に来てはどもりながら阿部と話している。
三橋君がいれば、もうすこしまともに話せるのに。
もどかしく思うけれど、そうして焦ると余計にどうしていいか分からなくなる。
「チッ・・・・・あー、怒ってねぇから、ゆっくり話せ。・・・・全部、聞いてやるから」
横を向いてくれればまだ話せるかもしれないのに、阿部はいつも真っ直ぐだから、こわい。
まるで心の暗いところまで見抜かれてしまいそうで、視線は自然と下を向く。
「う、うん」
「だからコッチ向けって・・・・!」
ぐい、と強制的に上げられた視線は、阿部の視線とそのまま交じる。
「怒ってねぇから。ゆっくりでいいから思ってること、全部話せ。俺が聞いてやるから」
つまるような息苦しさに過呼吸
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しまったぁぁぁぁと思ったのは、ヒロインの性格が若干自分ちっくなことになってしまったところにかなりショック。だけど、三橋と同じようなヒロインなら阿部も苛々しつつ好きになるんじゃないかな、という楽観的予測。
阿部は友達になるならいいやつだと信じてる。